御池岳〜新雪に包まれた美しいテーブルランド〜

年末寒波の合間を縫って、御池岳の登山を計画!

 御池岳にはこの山行の3週間ほど前に初めて登った。東海地方で活動されているhossyさんという登山や街歩きをしているYoutuberさんが、過去の動画で御池岳の雪のテーブルランドを散策しているのを見て、こんな素敵な雪山の絶景が地元の低山にも広がっているのか!と驚いた。せめて雪の無い時期にどんな山なのか散策しておこうと思い、12月初旬に御池岳に初登頂。凍えるような強風だったけれど、とても美しいテーブルランドを目の当たりにして、雪の時期への期待が高まった。
 そう思っていた矢先、チャンスは思いのほか早くやってきた。年末の休暇に入ってすぐのタイミングでやっってきた寒波は、鈴鹿の山々にも雪をもたらし一旦遠のいて寒波が緩んだ。どうやら1日だけ晴れるようだ。このチャンスを逃さない手はないと思った!

さっそく登山計画を作成

 さっそくYAMAPで登山計画を立てる。冬の御池岳については、登ると決める前から色々と調べていた。雪の時期だけのルートがあること、結構な急坂直登ルートとなることなどは、情報としては頭に入っていた。しかし、いくら低山といっても雪山の状況なんて実際に行ってみないとわからない。現場に向かい、トレースが当てにならないほどの積雪なら撤退も視野に、と覚悟し、先人達のレポを参考にしてルートの確認をした。下の画像は、実際に当日登ったルートとなります。

実際に歩いた際のYAMAPのデータをMACのtrail noteで開いた。
同じく上のルートに対応した標高データ

午前6時ふじわら簡易パーキング到着

駐車場から登山口へ向かう

 まだ暗いうちに自宅を出て、車通りの少ない国道を走った。藤原岳が近づいてくると道路が濡れていて、おそらく直前まで山ではけっこう雪が降った様子だった。
 午前6時にふじわら簡易パーキングに到着した頃には、複数の登山者が車から出て、今にも出発しようとしていた。自分は登りはじめる前にエネルギーを蓄えて置こうと思い、駐車場でお湯を沸かして、カップ味噌汁とおにぎりを!そのうちに何台か駐車場に入ってきたので、自分もさっと朝食を片付け、一通りの準備をして出発した。

まずは山口登山道から白瀬峠を目指す

降り積もった新雪に足をとられ始めた

 まずは、山口登山道から木和田尾根を通って白瀬峠を目指す。尾根に取り付くまでの序盤の樹林帯は、結構な斜面をつづら折りを交えながら登っていく。まだ身体が暖まっていないうちなので、ペースをあげすぎないようにゆっくりと登り始めたほうが良い。子向山を通過し、最初の鉄塔のあたりまでくるとだいぶ雪が増えてきた。頃合いを見てチェンスパをつけた。白瀬峠に至る手前、谷をトラバースするあたりまで来ると、雪が本当に深くなって、先行のパーティが荷物をおろし、わかんを装着し始めた。どうやらこの先トレースがないらしい。先行者に習い、自分も持ってきたスノーシューを取り付けた。雪が溜まりやすい地形なのか、昨日降った新雪がここから先は、一段と積もっているようだった。

複数パーティと共に真の谷へ降りる

ここからひとりずつ、吸い込まれるように真の谷に降りていった

 雪の深さに阻まれながらもなんとか白瀬峠へ上がった。でもここがある意味のスタート地点。ここから先は、急勾配の冬季限定ルートということになる。一旦、真の谷の谷底まで降りて、そこからまっすぐテーブルランドの端、ボタンブチを目指す。なるほど、この雪深い谷に急降下していくのか!途中から追いついて来た熟練者が、ためらうことなくトレースのない谷に降りていった。なんとも勇ましい!
 関係ないですが、「真の谷」ってネーミング、ゲームのダークソウルシリーズに出てきそうですごく好みです!

ふかふかの雪の直登300mは体力勝負

頼もしいベテランパーティのトレースに救われ急登を登りきった

 大人数パーティが先行してくれたおかげで、トレースも作って頂き、和気あいあいとした楽しい雰囲気の中、谷底まで降りることができた。谷底でみなさん一旦休憩し、装備を確認。ここからが本当に大変な道のりなのだけれど、初めて登る自分は、そこまで気負いすることはなかった。でもそれが甘かった!
 ここでも熟練者が先行して頂けたおかげで、ノートレースのラッセルとまではならずに済んだけれど、それでも降ったばかりの新雪はくずれやすい。自分はスノーシューを装着したまま、この標高差300mの直登に挑んだのだけれども、少しトレースを外れるとスノーシューでは雪にくいこまず、逆に滑って、雪が崩れて、登りにくくてしょうがない。今思うと、アイゼンでトレースを丁寧に地道に登ったほうが、体力は温存できたのかもしれない!途中、小休憩して水分や行動食をとりながら、エネルギーを切らさないように気をつけ、ふかふかの新雪との格闘の末、なんとかボタンブチまでたどり着いた!なんという達成感!

どこまでも広がる新雪に包まれた美しいテーブルランド

 登りきった瞬間、目の前に広がったなんとも言えない美しい光景が広がっていて、しばらく言葉を失った。各パーティは、それぞれが思い思いの方向へ歩いていく。私も少し遅れて歩き出したが、もう誰も見えなくなっていて、目に見えるものの一切が白い、非現実的とも言える台地を暫く、あてもなく彷徨った。
 この広いテーブルランドには、所々にドリーネと呼ばれるすり鉢状の大きな窪みが点在し、それが積雪期ともなると、さらに秘境感を強めている!近づくと吸い込まれそうなドリーネをやや遠くから巻き気味で通過する。起伏のある台地に積もった新雪の中を歩くのは、まさにホイップクリームの中にいる気分だった。

御池岳頂上へ!帰りは即席パーティ結成で無事下山。

 雪山の経験が未熟な自分にとって、今回の山行に時間的な余裕は無かった。降ったばかりでまだ締まっていない深い新雪は、登山者の体力と共に、必要以上の時間も奪い去る。気づいたら、テーブルランドをゆっくりと周遊する暇も無い時間となっていて、名残惜しい気持ちで御池岳頂上を目指した。
 頂上付近で、先程の各パーティとすれ違ったが、何人かは既に下山ルートに向かったようだった。
 私も頂上に立ち寄ってすぐに下山を開始した。下りだして間もなく、往路で話のはずんだ二人と運良く合流した。彼らもまたルートを模索しながらの下山だったようで、声を掛け合いその場でパーティ結成!あとから追いついてきたソロのベテラン登山者も自分たちをフォローして付き合ってくれた。雪深くトレースの無い、長い道のりだったけれど、おかげで、迷うことなく安全に下山することが出来た。

御池岳
日時:2024年12月30日(月)
天気(体感):(夜中に降雪あり)山頂到着時は曇天
ルート:山口登山口から白瀬峠経由で真の谷直登ルート(冬季限定ルート)
コースタイム:10時間19分(休憩含む)
歩行距離:14.7km
獲得標高(上り):1440m

HANZOU

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